チャイムがたんたんと、時が満ちたことを示すために盛大に音を鳴らしている。 思いっきり寝坊してしまったせいでまだあたしは下駄箱まで辿り着いていないというのに。





「やっば……!!」





あたしは思わず口に出すと、今まで以上にダッシュした。
(ちなみにこれは決してあたしが1回や2回の遅刻を嫌がるほどの真面目ちゃんだからというわけではなくって、 我がクラスの駄目担任は遅刻にうるさい野郎で、食休みに呼び出しまでするようなやつだからだ。 断じてあたしが真面目、というわけではない。)






























結局あたしが教室に駆け込めたのはホームルーム終了直後。 どうやら奴は今まさに教室を出ようとしていた所であったらしく、運悪く担任とばっちり目があってしまった。 が、あたしは怒られることを覚悟したというのに担任は今日は「 、遅いぞ。」とだけ言うとそそくさと職員室へ行ってしまった。 普段なら説教たれてから「後で職員室に来い」とかなんとか言うことまでしてから去るというのに。
……まぁ、多少気持ち悪いけど、説教がないならいいや。
あたしがそう自己完結してから教室に足を1歩踏み入れた瞬間、なぜかクラスの視線がこっちに集中。
え。
(え、これマジでなんなんでしょうか!?何コレ!? なんだかみなさんやけにピリピリしていませんか!? あのクソ教師がやっぱり何かしたんでしょうか……?)





!あ、あんた一体何したの……!?」





はあたしの方に駆け寄ってきたが早いか、そう言った。





「な、何が!?あたし何もしてないし!むしろこっちが聞きたい位なんだけど。 何、この雰囲気。あたしが遅れてる間に何があったっていうのよ?」





ハー、と は妙に重たい溜息をついた。 困ったときにする仕草、右手で髪をあきあげる、付き。 (ちなみにこれ、(外見が)大人っぽい がやるとなぜか色っぽく見えるのだ。) (あたしには一生そんな印象は与えられないなぁ。)





「あんたの席、あの、雲雀恭弥が座ってるのよ……。」



「え。」





あの人本気だったの!?とちょっと(むしろかなり)嘘だろうと思いながらも、あたしは の肩越しにそぉっとあたしの席を見た。 そこには本当に、昨日と同じ雰囲気を纏ったままで、雲雀さんは席についていた。





「え、あたしはじゃあどこに座ればいいの?」



「そりゃ普通に考えれば、元の雲雀恭弥の席でしょ。だから右隣にスライドする……って違う!!」



「え、何が。」



「いや、 、あなたね……この天然娘、普通そこはどこにあんたが座るかじゃなくて、 まずは何で雲雀恭弥がこんな時期に、いきなり授業に出席するようになったのかってことの方を疑問に思うでしょうが。 だいたい 、もう少し危機感持ったら?」



「え、何で?」



「はぁっ!?雲雀恭弥のこと位耳にしてるでしょう?」



「いや、でも昨日しゃべったら面白い人だったよ。確かに常人じゃない人みたいだったけど。3階から飛び降りて何食わぬ顔だし。」



「えっ!?雲雀伝説更新されたの!?それも3階から飛び降り……って違う!! え!?何!? 、雲雀恭弥と話したの?」



「え、あ、う、うん。」





はなんとも言えない黒い微笑を浮かべるとあたしの肩をガシィッとつかんだ。





「それはおもしろそうね。 。さぁ、白状しなさい。」





がのばした左腕の向こう側に空をボーっと無表情でみつめる雲雀さんの姿があった。





「(きれいな人は何をしていても様になる。)」





あたしが心中でそう呟いたのが届いたのか、その次の瞬間雲雀はふぅっとこっちの法に視線を向けた。
相変わらずの無表情だけど、やっぱり、様になる。
(今一瞬、ドキリ、とした。)










He is an emotionless!










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