ーっ!!ここここぉっ!!」





未だかつて見たことないほどのハイテンションな がそこにはいた。




















陽射しに




   とける





















正直言って、気持ち悪い。何か、絶対にある。
そう思わせる笑顔を張るかは浮かべていた。
イヤな予感。絶対に はおかしい。 いつもは誰よりもクールなのに。 ボケじゃなくて突っ込みなのに。
今日は満面の笑み。それが逆に怖い。





にしては早かったね。んじゃ席に荷物だけ置いて、飲み物買ってきなよ。あたしはもう自分の分は買ったから。」





そう言って はカップをあたしに見せた。 新製品のフラペチーノはとてもつめたそうで、おいしそう。
その冷たさで の熱も冷めればいいのに、とあたしは思った。




















散々迷った挙句買ったのは結局 と同じ物。 あたしが戻ってきて席に着くと、 はにこにこしながらじぃっとあたしのことを見ている。 そっちの方が気になって、せっかくのフラペチーノの味がさっきからさっぱりわからない。
これ高いのにっ!!





「さ、さっきから何!?」



「何もないけど、しいて言うならあたしたちは恋バナをするっていう使命が今日はあるらしいわね。」





誰に毒されたんだ、一体。
どうしたんだ、 は。
あたしが の言葉に固まっていると、 はあたしに隠し事してるでしょ?と笑いながら言った。
あぁ。 は怒ってるのか。





「……?何も、ないけど……?」



「夏祭り。」



「えっ?」





フリーズ。





「あたしね、夏祭りにはえっことくららと3人で行ったんだ。」



「……。」



「2人が焼きそばを買ってるのを待っているときにね、後ろのかき氷の店で の声が聞こえた気がしたんだよね。」



「……。」



「それから射的の辺りで山本と獄寺の2人組みに会って……。」



「……。」







「わぁーかりましたよっ!!綱吉といましたよそうですよ!!」





やっと言ったかぁ、言ってにやぁっと嫌な笑みを浮かべると、 はフラペチーノをおいしそうに口に運んだ。 あたしもフラペチーノを飲んだけど、完璧に味なんてわかんなくなっていて、どろどろしたものがのどを通るってだけになっちゃっていた。 するするとのどの中を通ってくれる分、水のほうがよかったかもしれない。
後で店員さんに頼もうかな。





「そうだよね、綱吉、 、って呼び合う仲だもんね。 うわー、なんだかあたし親鳥の気分だわ。雛鳥が飛び立ってしまった後の。」





お赤飯炊かなきゃね、とからかうように は言った。
えす、だ。さでぃすてぃっく、だ。
いつもの だ。戻った。





「ただの幼馴染だって言ってるじゃん。」



「ただの、ねぇー。」





フラペチーノを飲み干すと、あぁなくなっちゃった、と はつぶやいた。 カップを振るとからからとストローがカップに当たって音がした。





「まぁ がそう言うなら信じましょう。」



「だから信じるとか信じないとかじゃなく



「はいはいわかったわよ。 と沢田はただの幼馴染。これでいいわね? それよりさぁ、 って宿題、終わってる?」





「(どういう方向転換だ。)そりゃぁ……終わってないけど。」





はぁーっと長い溜息を吐くとやっぱり、と は一言言った。
やっぱりって何だやっぱりって。あたしが宿題をしていないのは誰もが予測可能なのかそうなのか!?
あたし一応世間一般的には受験生なのに真面目設定なのに。





「言っとくけどあたし、あさってからニュージーランドに行くからいないからね。」





手伝えないから、と は言った。
にゅーじーらんどにゅーじーらんどニュージーランド……。
……!?ニュージーランド!?ネバネバーランドじゃなくって!?(ネタを引きずりすぎだ、あたし。)





「あああああたしだって宿題位自分の力でやれるもん。」



「おぉ、頼もしいこと。どもってるけど。 未だかつて夏休みの終わり3日前後 があたしん家に居座って宿題をしなかった年はないというのに。」





あたしが怒ったのを無視して は立ち上がった。
あたしはまだ中身が残るカップを振ってみた。 中のフラペチーノはすっかり融けてしまっていた。もったいない。
まだ明るいから気付かなかったけれど、もう6時を回っていた。
はそろそろ塾へ行かなきゃならない。





「んじゃまた2学期にね。」



「ばいばい。帰ってきたらメールしてね。」



「うん。お土産はしっかり買ってくるから楽しみにしてて。」





手を振ってからそれぞれ歩き始める。





「あっ、 。」





言い忘れたんだけど、と言って はあたしを呼び止めた。





「?」





振り返ると春香はいつもの……いや、いつもより真剣で、それでいてかっこいい表情をしていた。 女が女に惚れるのって案外こういうときなのかもしれない、なんてことをあたしはぼんやりと考えた。





「自分の気持ちに素直になるんだよ。」





あぁ、うん。とあたしは曖昧な返事だけを返した。
どういう意味だったんだろうか。





(ケータイがまた鳴った) ☆彡 (綱吉に電話しなきゃっ!)