「もしもし ?あたし。 だよ。」



「あっ っ!どうしたの?突然電話なんて。」



「そう?いっつもかけてる気がするんだけど。」



「えっ!?そうかなぁ!?」



「だってこの前も長電話したばっかじゃん。ほら、夏祭りの前とか。」



「あっ!!そうだったねうんそうだった! この間はごめんね。 、急いでたのにあたしが長々と話すからさぁー ……ってそういえば夏休みに入ってから に1度も会ってないような気がするなぁ。 たしか毎日塾の夏期講習なんだよね、 は。 あたしもやっぱり塾とか行った方が



「ストーップッ!!!!!」





が電話越しに大声を出したので、あたしの耳はキーンと痛くなった。
いきなり大声を出すなんて酷い。
あたしは受話器を持つ手を変えると「バカッ!いきなり大声出さないでよ!!」と言って怒った。





「ごめんごめん。でもこうでもしないと の場合止まらないでしょ?話。 いっつも と電話すると長いんだよ。無駄な話がそこかしこに入るから。」





悪びれる様子は声からは感じ取られない。
あたしはむかっとした気がしたけれど、それはたぶん の言っていることが的を射ているからだ。 自分でも思ってるわけだし、受け取っておこう。
しゃべりすぎに注意、っと。





「んじゃあ用事って何?」



「さっそく直球ね。まぁ別に用事って程のことじゃないのよ。 ただ夏休みに入ってから に全然会ってないから会いたいなと思っただけ。」





無理なら別にいいんだけど、と は続けた。





「いいいいいい行きます!!」





があたしに会いたがってくれている!っていうだけで あたしは興奮して、狼狽して(むじゅん、だ。)はしゃいで、言った。 (いつもはあたしが会いたがってばかりなのだ、実は。 はクールで姉御肌だから、わがまま幼稚なあたしに付き合ってくれるお姉さん、みたいなんだもん。)
それより 。あたしが無理なわけないよ。あたし暇人だもん。 友達みんな塾の夏期講習なのにあたし1人みんなと違って塾なんて行ってないもん。 家庭教師だっていないもん。
……っていうかあたし寂しい子みたいじゃないか。
本当にじゅけんせい、だ。みんなが。
あたしだけがまだまだ子供で、ネバーランドの住人みたいだ。
あっ、いや、そんなネバーランドなんてたいした国の住人じゃないんですけど。 むしろネバネバーランド位の勢いな人間なんですけど、本当は。
そんなあたしの心情を知ってかしらずか。 は笑った。





「あんたはいったいどこに行くのよ。あたしまだ に家に来てなんて誘ってないわよ。 っていうかむしろあたしが の家に行ってもいいか聞こうと思ったのに。 まぁいいわ。あたしが図々しいよね、誰がどう考えても。」





1人けたけたと笑う
危ない。いつもと違う。いつもより明るいっていうか元気って言うか……きらきらしてる。 うん。なんか違う気がするけどまぁいいや。 魔法にでもかかった、のかなぁって思うような感じ。





「んじゃ、せっかくの夏休みだしどっか出かけようかっ!!そうだスタバ!!スタバとかどうよ?いつも行ってるけど。 たしか今限定のやつがあった気がするし!あたしスタバで待ってるから 、絶対来てよ!! ゆっくる、うんゆっくり?話たいこと、あるしね。」





くすくすと相変わらず笑いっぱなしの
いっつも何も考えないでいるのはあたしで、考えすぎなんじゃないかと思う位考えているのが なのに、今日は考えなしの言葉ばかり。加えてこのテンション。
おかしい。何かがおかしい。
あたしは不思議を胸いっぱいに詰め込んだまま家を出た。




















不明なゾーン




















夏の日差しはきつい。日焼け止め、塗ればよかった。





(大きな金魚にリベンジ) ☆彡 (さぁっスタバろうっと!)