あたしは信じたくなかった。 けれどもいつかこうなることを予測していながら確証を得るまで動けずにいた自分がいるのも確かで……。 あたしは少なからず責任を感じていた。 ACT.10風紀委員は昨日の委員会での指示通り、2人1組で並中を中心に見回りをしている。 も例外ではなく、 は草壁とともに行動している。 次は被害状況の確認と情報収集のために並盛中央病院へと向かう。 並盛中央病院の中は朝早いというのに人で溢れている。 多くは並中生で、彼らはどうやら入院している者たちへお見舞いに来たらしい。 は病院へ来て、事件の重大さをまざまざと見せ付けられた。 「すごい数の並中生ですね……。」 草壁の表情は曇る。 ざわめく院内。並盛市内で学ラン姿というのはやはり目立つらしい。 「オレは誰が何人襲われたのか受付で確認してくる。 はここで待ってろ。」 そう言った草壁に は取り残され、ロビーに1人ポツリと佇む。 は学校を休むことになりそうだとの連絡を入れ忘れていたことに気付き、ケータイを取り出す。 「もしもし山本?」 『あっ、 か?どうした?』 「ちょっと風紀委員会の用事でさ、俺、今日学校行けねぇだろうから、先生に連絡しといてくんない?」 はツナとリボーンらしき姿を見つけたため、『あっ、おい、 ?』という山本の言葉を無視して通話を切ってしまった。ブツリと乱暴な音が鳴る。 「ツナ……と、もしかしてリボーンさん!?」 「えっ、 !?何でここに……っていうかリボーンと知り合いなの!?」 「オレはこいつがちっせぇときからよく知ってるぞ。」 「あー!その話はお願いだからやめて……!!」 がそう言ったのとほぼ同時に草壁が「 !」と呼ぶ声がした。 は「はいっ!」と返事をする。 「悪ぃ、ツナ。オレ行かなきゃなんないから。リボーンさん、失礼します。それからツナ、外は危ねぇから襲われんなよ!」 ツナの「 !?」と驚いてあげられた声は、ざわめきの中に紛れてしまい、 の耳には微かにしか聞こえなかった。 「どうなっていましたか……?」 「ついに風紀委員以外にも被害が出てしまった……。それも並中生11人もだ。」 と草壁が自体の深刻さに黙り込んでいると、別の風紀委員1名が「草壁副委員長!」と言って院内に駆け込んできた。 よっぽど急いでいたのか息が切れている。 草壁は彼が落ち着くまでしばしの間待つ。 「副委員長、応接室が空です。」 「では、委員長の姿が見えないのだな?」 「えぇ、いつものようにおそらく敵の尻尾をつかんだかと…。これで犯人側の壊滅は時間の問題です。」 「そうか。」 草壁はくるりと の方を向いた。 「 、オレたちは一旦外へ出る。お前はここに残れ。」 「え……。」 「ここにはたくさんの並中生がいる。この中から襲われるものが出ては困るからな。」 「あっ……はい。わかりました。」 がそう言うと、2人は病院を出た。 はその背中を見送る。 「どきなさい!!」 「また並中生がやられた!!」 がその声に反応すると、運ばれてきたのは今し方病院を出たばかりのはずの草壁だった。 |