掌から零れ落ちるのは大切なもの。
掌に落ちてくるものは罪悪感。
いつだってあたしの手は汚れて見えた。










ACT.11











「ツナ!」



!今の……。」



「……やっぱり草壁さんだったよね……。」





の表情は曇る。





「心配すんな。」





リボーンの声に沈んでいた はハッとする。





「ケンカ売られてんのは、ツナ、おまえだぞ。」



「へ!?」



「だから 、お前が気にすることじゃねぇ。それよりお前は今運ばれたやつの所へ行け。」



「あっ……はい。リボーンさん。」





はそう言って駆け出す。
残されたツナはリボーンの方を見つめた。





「……リボーン、 ってどういうことなんだ!?あいつは じゃないのか!?」





リボーンはニヤリと怪しい笑みを浮かべる。





「今にわかるぞ。」






























「草壁さん……。」



「すまない……。こんな情けない姿を晒してしまって。」





草壁は悲しそうに無理やり笑う。
の胸がキリキリと痛んだ。





「……!こんなときに何を言ってるんですか……!!」



「敵は黒曜中だ。」



「え……?」



「あの制服は間違いない。」





は内心やっぱり……。と思う。
元より黒曜中には目星をつけていたからだ。 1人での調査でもわかる不自然な点が黒曜中にはあった。





この時期に3人もの転校生……。
黒曜一帯をシメていた不良グループの壊滅……。





これだけでももうすでに充分怪しい。
は歯痒くて思わずギリリ……と歯軋りをしてしまう。





「草壁さん、ありがとうございました。」



。」



「……はい。」



「今委員長が敵のアジトへ向かっているだろう。オレたちが心配する必要はない。もうじき戦いは終わる。」





草壁は の方を一心に見つめている。
は思わず目を逸らしてしまった。





「……わかりました。」



「あぁ。」



「またお見舞いに来ますから。」



「ありがとう。」





彼はそう言うと目を閉じた。
あちこちに巻かれた包帯が痛々しかった。




















は病室を出ると、自分に出来得る限りのスピードで走る。





「(草壁さんの心遣いはわかる。あの人はあまりに優しい……。)」





はぎゅっとこぶしを握った。あまく爪が掌に刺さる。










ごめんなさい。と は内心懺悔をして病院を出た。





「(でも、指をくわえて見ているなんてこと、あたしにはできないから……!!)」





は常時携帯している銃―コルト1911ガバメントモデル―を手にし、ついに安全装置をはずした。










戦闘開始……!!










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