1週間なんて本当にあっという間で、今日はもう が並中に来てから早くも7日目だった。 昨日は思ったよりも調べが進んだので、 は午前中にディーノへの情報伝達を済ませてしまった。 午後からは今週中になるであろう敵地突入のために身体を休める。 ……予定だったのに。 ACT.9ケータイが鳴る。 ディーノかな。と思って がケータイを取ると、「 か?」という草壁の声が伝わってきた。 は面食らってしまい、「は、はい?」と裏返った声で答えてしまう。 「何だ、その声は。お前は今まで寝てたのか?」 「いえ、そんなことは……!」 ははっ、冗談だ。と言うと、草壁は再び真面目な声色に戻して「そんなことより……」と切り出した。 「緊急事態が発生した。2時から応接室で委員会を開くから、今すぐ学校へ来い。」 「はい。」と が返事をすると、通話は切られてしまった。 は時刻を確認すると、すぐに着替えに取り掛かった。 応接室の前に着くと、草壁が1人応接室の前に立って待っていた。 彼は を見つけると手招きをした。 はそれに従い小走りで向かう。 「みなさんは?」 「もう中で待っている。」 それを聞いてドアを開けようとした を草壁は制した。 は驚いて草壁を見る。 彼は真剣な眼差しを に向けていた。 「数人の風紀委員が何者かに襲われる事件が発生している。」 「え……。」 「それも風紀委員でも屈強な者たちばかりがだ。 しかも皆歯が抜かれているという何かメッセージ染みたことを犯人からされてな……。」 草壁も も思わず黙りこくる。 けれども黙ってしまった理由はそれぞれ違う。 の勘は直感的に犯人は骸たちだと警鐘を鳴らしていた。 「並盛の秩序を守るためにも、風紀委員会として黙っているわけにはいかない。オレたちは敵を潰しにかかる。」 は草壁の言葉に返事をすることが出来ない。 は、プロが相手じゃ彼らがいくら強かろうと、また素人が何人いようとも話にならない。勝てるはずがない。 所詮彼らは片田舎の不良中学生レベルなのだから。としか には思えなかった。 「お前はどうする……?」 「なぜ聞くんですか?」 「これはお前が思っているような甘いものじゃないからだ。」 「だから何だって言うんですか?」 「これはおそらく風紀委員会への私怨だ。委員長の手で壊滅させられたグループは数多あるからな。 だから……新入りのお前には関係ない。」 「……草壁さん。」 「何だ。」 「確かにオレは新入りかもしれません。けれどもオレはもうれっきとした風紀委員の一員です。」 「 ……。」 「それに草壁さん。」 「?」 「オレ、こんななりですけど、ケンカならめちゃくちゃ強いですよ。(裏の仕事が出来る程度には。)」 草壁は に優しく微笑みかけると、「それは頼もしいな。」と言った。 「あっ!もしかして本気にしてないでしょ?」 「さぁな?」 の不満そうな顔を見ると、草壁はもう1度笑い、 の頭をくしゃくしゃとした。 「さ、中へ入ろう。委員会を始めるぞ。」 「!はい!!」 ぽつぽつと空席が目立つ応接室に「これから臨時の風紀委員会を開く。」という草壁の声が響く。 |