アンドロメダ・06





スクアーロが学校の授業に出なければいいのに。なんてことを思いながら、あたしはその日1日を過ごしていた。
授業中も、休み時間に友だちと話しているときも、食堂でお昼を食べているときも。
今日はもうきっと出てこないだろうな、って思えたら、何だか急に苦しいような、でもホッとしたような不思議で嫌な感覚がした。
胸の辺りが苦しい。息がしにくいようにさえ感じた。





でもそんなことはまだ序の口だった。






























。」





お昼を食べ終わって友だちと談笑しているとスクアーロがあたしを呼んだ。
あたしは反射的にその声に反応してスクアーロの方を向いてしまった。 そのせいでスクアーロとばっちり目があってしまって、その瞬間にあたしはものすごく後悔をした。





辛かった。





スクアーロに怒りを覚える自分が酷く嫌な人間に思えた。
息が止まって、酸欠みたいな感覚に陥る。
苦しい。
胸が抉られたみたいな痛みが全身を支配する
抉られて軽くなるはずが、胸は重たい。
まるで鉛か何かが、失われてしまった血肉の代わりに埋め込まれたみたいだ。
冷たい感触が周りの神経に伝わって痛みを増幅させる。
壊死、いつかしてしまうんだろうか……?
心に凍傷があるとするならきっと、あたしはそれになってしまうでしょう。
冷えきった心の一部はきっと、真っ黒に染まって腐り落ちてしまう……。




















ひょっとして、残酷なのはあたしではないだろうか……?










あたしはスクアーロに背を向けると、友だちと連れ立ってスクアーロから距離をおいた。




















薄く儚く頼りなさげに窓ガラスに映り込んだスクアーロの像は、困惑の表情であたしの方を見ていた。





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