アンドロメダ・05





あれだけ酷く疲れていたはずだというのに、あたしはその日、全然眠ることができなかった。
きっと、真っ暗な闇の中ではなぜか色々と余計なことを考えてしまうから、だろう。
どんなに強く目をつぶってみても、真っ暗な闇の世界を夢で塗りつぶすことはできなくて、 汚い言葉、醜い気持ち、行き場のない感情、なんかがぐるぐる頭の中で渦巻き続けて、あたしをひどく困らせる。
結論はもうすでに出ているのだ。
でもだからといって、わかっていてもなすのが難しいってことの方がよくわかっている。
だからこそ、悩んでしまうのだ。




















本当は出来事そのもののことよりも、スクアーロのことを信じられなくて、 好きでい続けられるのかどうかなんていうことを不安に思ってしまっている自分自身に一番悩んでいたりするのだけど。




















だってこんな風に好きでいるはずのヒトに、こんな汚い感情なんて湧くはずがないでしょう……?
それに『愛しているからこそ憎い』みたいなメロドラマみたいなモノでもないし。
(まぁそんな感情が湧く様な関係ならもうとうの昔にあたしたちの関係は終わってしまっていたでしょうけど。) (だってそういうのってなんだかひどく安っぽいと思いませんか……?)






























疲労感でいっぱいのけだるい身体を無理やり起こすとあたしは身支度を始める。
鏡の向こうにいるあたしの像はやつれているわ、目は腫れて真っ赤だわという悲惨な状態だった。
心身は繋がっている。
あたしの情態をあたしの状態は酷く簡潔に、克明に示していた。





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