アンドロメダ・16





次の日のお昼休み、突然の校内放送がかかる。
小間使いに呼ばれたり、問題を起こした生徒を注意したりするものがほとんどだから、 自分に関係ないだろうなぁと思っていても、あまりいい気はしない。
それなのに……





。至急職員室の担任の所まで。』





自分が呼び出されるとなるとなおさらだ。気が重い。
まして、あたしはまだ色々なことがありすぎた昨日のことが吹っ切れていなくて、だるさを抱えながらすごしていたというのに。






























「あぁ、 さん。ちょっとあなたにお話があるの。」





そう固くならないで、と先生は言うとにこにこしながら椅子に座るようあたしに促した。 なんだかこの親切さが逆に怖いなぁ。
面倒なことを頼まれるんじゃないかという悪い予感がする。
実際、前に呼び出されたときはまさに面倒なことに使われた。
(たしか学芸会の委員か何かを頼まれた気がする。この学校でそんなことまともにできるはずがないのに。)





さん、実はあなたに高等学校から推薦のお話がきていてね、この間あなたが受けた校外のテストあったでしょう? あの結果が大変よくてね、うちの学校から出ないか、ってお話を頂いたの。 飛び級って大変なことだというのは私もそう思います。 でも私も高い志を持ったあなたならきっと乗り越えられるはずだと思うし、何よりもあなたがここに埋もれてしまうのはもったいないことだと思うわ。 もちろんあなたの判断だけでは決められないでしょう。 ご両親とも相談して決めてちょうだい。」





先生はここまで言うとあたしに厚い封筒をあたしに押し付けた。
あたしは「失礼しましました。」と言って職員室を出たのに、 まだ先生の言ったことがよく理解できていなくて、いつまでも先生の声が頭の中でこだましていた。










封筒をもう1度見てみたけれど、なんだか自分のことなのに他人のことのように感じられた。
あたしはまだ、実感が湧いていなかった。





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