がつがつがつがつカチャカチャズルズルーッもしゃもしゃがつがつカチャカチャごくんっ





「(いつか窒息するんじゃないかな。)……。」










母国情緒・04










「それで、また何でまた突然何も言わずに帰ってきたの……?」





あたしがそう聞くとコロネロは口に食べ物を掻き込むのをやめて咀嚼を始めた。
流石にあれだけ口に物が入っていれば話すことは無理だとふんだらしい。 (料理を作った身としてはおいしそうにたくさん食べてもらえるというのはとてもありがたいことだけど、 なんとううかその……もっと味わってくれるともっと嬉しいのに。とあたしは思う。 まぁこういうのって食べてもらえるからこそ言える、贅沢なものなわけだけど。)










コロネロがもぐもぐ口を動かしている間、あたしはじーっと彼の様子を眺めながらグラスワインを飲む。
白の方があたしは好きなんだけど、今日はコロネロの好きな赤。





なんだかもう酔っちゃいそうだな……。





しばらく飲みに行ってなかったからかもしれない。
だいたいあたし、お酒って飲めるようになる前、グラスの半分も飲まないうちからべろべろだったんだからなぁ……。
コロネロに連れ回されなかったらこんな風にはなってなかっただろうと思う。
そんなことをぼうっと考えているうちに、コロネロは口の中に入っていたものは片付けたらしく、ごくっと飲み込んだ。
ワインがぶ飲み。(……この人はワインを水だと思ってないか?)





「で、何の話だっけ?」



「何で突然帰ってきたのかってこと。」





あぁ。とコロネロは言うと、急に席を立った。





「ちょっと に話があったんだぜコラ。」





そう言うとコロネロは荷物から何かを取り出すとまた席に戻ってきた。
テーブルの上にベビーピンクの小箱が置かれる。





に買ってきたんだぜ、コラ。」





開けろよ、とコロネロは言うと、照れくさそうに少し視線を外した。
あたしはかわいいやつめ、と思いながら開けるとなんと指輪が入っていた。ピンクのきらきらした石がはまっている。





「こここコロネロぉ……!?」



「結婚してくれ。んで、オレしばらくっつーか、何年かは日本から動けねぇし、オレと一緒に日本にきてくれ。」



「え、あ!?うぇ!?」



「それ女の出す声かよ。」





そう言って笑うと、コロネロはワインのボトルを手にとって自分のグラスに並々と注いだ。
そしてまたもいっきに飲んでしまう。
(でも顔が赤いのはきっと酔ってるからじゃないんだろうなー……。 いつもコロネロ、ボトル1本空けた位じゃいつもは顔色ひとつ変わらないし。)
グラスを置くとコロネロは返事は?と、とろけちゃいそうな甘い声で言った。





「あ、あたしでいいの……?」



だからだっつの。」



「う、わ、本当に嬉しい……。」



「じゃあ、」



「喜んでお受けします。」





あたしがそう言うとコロネロはふぅーっと息をはいて、その箱貸せ。と言った。
あたしが言われるまま渡すと、コロネロはあたしの左手に指輪を通した。





「やっぱりよく似合ってる。」