お祭りってなんだかドキドキわくわくしますよねっ!! ……えっ?そんなのガキっぽいですって? しつれいですね、そこのあなた。心が若いと言いなさい。 っていうかあたしこう見えても15歳ですよ。まだまだぴちぴちですよ。 お祭り位楽しみにしたっていいじゃないっ!! えっ?もういいって? あぁそう。やっとわかりましたかあたしの若さが。 あっ、今バカだと思ったでしょ?そうでしょ? いいんですいいんですどうせあたしはバカなんです。貧乳なんです。 えっ?貧乳は関係ない?それはお前が気にしていることだ? あーそうですよ。あたしはどうせ……ってあたしはこんなこと言うつもりじゃなかったのに何を言ってるんだ。 すいません話が逸れました。脱線もいいトコですね。 コレ、あたしの悪い癖なんです。いっつもそうなんですよねー。 この間も友達の と電話で……って何普通にまた脱線してるんでしょうか、あたし。やっぱりバカですね。すいません。 それでですねえーっと何の話でしたっけ? そうそうお祭りの話でしたねっ!! そうです今日は冴えないクラスメイト(でも最近やけにかっこよくなっちゃった) 兼幼馴染の沢田綱吉君と一緒にお祭りなんかに行っちゃうんです!わーい! 男の子と二人で行くのなんて生まれて初めてだよ! (綱吉とと言えど)しっかりばっちり浴衣着ておめかしして行って参ります☆★ ゆうかた 「浴衣着て来たんだ。」 5分の遅刻をあたしが謝る前に綱吉は言った。 「うん。これのせいで遅れちゃった。ごめんね。」 困ったように笑うと、綱吉は似合ってるよ、と蚊の鳴くような小さな声で言った。 どうしたんだ、今日の綱吉は。 ってあたしもどうしたんだ。 こんなにおしゃれ頑張って、綱吉の言葉にドキドキしちゃったりして。 そんなことを考えている間に綱吉は歩き出していて、あたしとの距離は離れていた。 歩きにくい浴衣であたしは小走りをした、ら。 転んだ。 いや、むしろ転びかけた。 なぜなら綱吉の背中をどーんと押す形であたしは転んだのだからだ。 ぎゃっていうおよそ乙女からはかけ離れた声をさせて。 だから本当は誰も転んでなんかなくて、あたしは綱吉の背中に支えられていることになったのだ。 (ぎゃーあたしってば一体何やってるんだ!!) 「痛いなー。何だよいきなり。」 案の定綱吉は怒ってるっていうか困ってるっていうかそういう顔をしていた。 (あーあえていうなら2つを足して2で割った感じ、うん。) 「ごごごごごめんっ!!綱吉がどんどん先に行っちゃってたから走ったら転んじゃった、の。」 「慣れない格好するからだよ。」 と綱吉は言って笑うと、また歩き出した。 乙女心がわからない男だな綱吉君はっ!!女の子っていうのはおしゃれをしたいんだよたとえ転んでも。 そんなんじゃモテないぞっ!!(あっでもモテなくていい、って一瞬思わなくもなかった。) 「それで何かするの?それとも何か食べる?」 綱吉はあたしのほうを見ないで聞く。 左右に広がっている模擬店に視線をうろうろとさせているのだ。 ……ってあれ?綱吉さっきより歩くの遅い? ごめんね綱吉。心の中で悪口ばっかり言って。 君は何も言わずにあたしのことを気遣ってくれていたんだね。ジーン(!!) 「夏祭りなんて1年振りだから何したらいいかわかんないよ。」 「、とりあえずみんな夏祭りは基本的に1年振りだよ。」 それじゃみんな毎年何したらいいかわかんないわけじゃん。揃って記憶喪失ってこと? と長い突っ込みの後綱吉はあっと小さく言った。 視線の先にはクラスメイトの山本君と同じくクラスメイトの獄寺君がいた。 |