放課後だというのに、意地悪な教師に居残りを命じられたあたしと綱吉。
それにしてもよりによって美術の版画だなんて……。
あたしは不器用だから綱吉に見られたらやだなー、なんて考えていたら案の定…… 綱吉の場合 ザクッ 「痛っ……!」 「どうした!?」 「ちょ、彫刻刀が……。」 刺さっちゃった……とだけ伝えるとその後のあたしはうわぁ血が……!!とあたふたするばかり。 っていうか痛い!痛いよ。 痛すぎて「痛い!」以外に何も考えられないってば……!! そんなあたしを見ると綱吉はさっとあたしの手を取ると傷口を眺め始めた。 「うーん、思ったよりも結構傷深いかもしれない。どうする?保健室行く?」 あたしは綱吉意外に頼れるなぁなんて考えながら頷くことしかできなかった。 けどハプニングはそれだけじゃなくて…… 「もしかして……この状況って……先生いない……?」 保健室は放課後だけあってしーんとしている。そしてついでに本来いるべき場所だというのにに先生の姿はどこにも見当たらない。 その間にもあたしの傷口からは相変わらず血がどくどくと出続けている。 「しょうがないなぁ……。俺がやるからこっちに座って。」 「え、綱吉出来るの!?」 「失礼なやつだな。」 消毒液しみたりしてない?なんて聞いてくれたりしたりして綱吉はホントに優しいし、その上傷の処置も完璧。 正直いつもダメツナとかみんなから呼ばれてたからすっごく意外!! 綱吉はまるでナイチンゲールみたいな癒し系ヲトメンでした! |