どうしても捨てられない物の1つや2つ、机の中やクローゼットの奥底に眠ってはいないだろうか……? そういう物ってたいてい昔の彼女からのプレゼントだったり、彼女とのデート先でお揃いで買った物だったりするわけだけど、 そういう物の顛末って、前者は別として、後者というのは多くの人は買ったことを後悔する羽目になるのだ。全てが終わってから。 オレにもそういう物、ある。そして、顛末まで同じ。 オレの場合、それに該当する物は昔彼女とお揃いで買ったキーホルダーで、 何度も何度も捨てようと試みるんだけど、いざ捨てるってなったときには、未練がましいことに、ゴミ箱の一歩手前って所でどうしても躊躇してしまうのだ。 部下からは昔のことなんて忘れましょう!次があります、なんて言われるが、そういうのじゃ埋められない何かがオレの中に横たわっている。 だから今も、今日こそは!と決心したはずなのに、右手に からもらったキーホルダーがあって、 別に何かに着けてるわけでもないからって捨てようとしてるのに、してるのにー……やっぱり無理。ってなっているってわけ。 思い出の中の と、思い出の中の毎日が楽しくて輝いてた自分が、今のオレを掴んで放さない。 今のオレにできるのは過去の自分を恨むこと。そして何より……過去の自分を羨むこと。 ディーノ!とオレの名前を呼び、オレに向かって微笑む は今もオレの記憶から消えない。消せない。消えてくれない。 souvenir いつか、あいつに会ったとき、こんなオレの想いでさえも土産話にできればなんて思う。 |