「り、ボ……ン。」 あたしが何度啼いてもリボーンは一切返答しない。 ただただ揺れているだけ。 あたしは寂しくて、この気持ちに気付いて欲しくて、リボーンの身体に自身の爪を立てた。 ついさっきまで綺麗だったはずなのに装飾していたマニキュアだとかが所々剥がれてしまっていてすっかり醜くなってしまったあたしの爪が、 ほどよく筋肉がついたきれいな肉体に甘くささる。 なんて甘美な光景なんでしょう……? コトが終わった後で見れば、きっと周囲がうっすらと赤い色を帯びるようになって、 あたしの爪の描く弧の形にほんの少しだけぷっくりと腫れるだろう。 「あなたがあたしに痕を残すように、あたしもあなたに痕をつけてみたの。」 なんて試しに言ってみたら、彼は一体どんな表情をするかしら? 喜ぶ?苛立つ? 今の快楽に溺れてまともな思考が奪われてしまったあたしにはとてもじゃないが想像ができない。 リボーンはあたしの爪が刺さった瞬間に眉間に少し皺を寄せて、そしてあたしに仕返しをしてきた。 ぁ。 胸が高鳴って、身体がすっかり煮えたぎるみたいにして熱くなっているというのに、尚もあたしの身体はリボーンからの熱を欲しがる。 彼に密着。彼はすぐさま離れる。 密着。離れられる。密着。離れられる。密着。離れられる。密着。離れられる。……。 あたしが、あぁもう死んじゃうんじゃないかなぁ。それも淋しく1人で。 なんて感じて、危機感を募らせていると、リボーンは「……。」と少し苦しそうな声であたしの名前を囁いた。 掠れて、それが逆に色気を醸し出していた。なんとも甘い音。聴覚を犯す。 耳元だったから、リボーンの吐息をすごく感じる。 あたしは嬉しくて今度は爪を立てずにしがみついた。 |