「わー!きれー!!」 「見て見て!武!こっちこっち!」 「すごーい!わぁー!」 はさっきからそんな感じのことを連呼しながら、飛行機の窓からずっと外を見ている。 はしゃぐ の姿を見て、オレは苦笑する。 子どもっぽいなぁと思いつつ、オレはそんな を愛しいと思っているのだ。 「。」 「なぁに?」 「 ってもしかして初めて?」 「うん!国内だと結構色んなとこ行ったんだけど、海外は初めて!」 ふぅん、とオレがうなずくと、 は何かを思い出したのか、あっ!と声を上げた。 「沖縄とか北海道とかも海外だけど、それは込みかな?」 「それは違うだろー。」 おなじみの冗談を1つ言うと、 は満足したように笑って、再び外の景色に見とれていた。 パレルモ国際空港を出ると、オレはタクシーを呼ぶ。 予定通り進んでいて、まだお昼にもなっていない時間帯である。 とりあえず荷物を置きに、泊まることになっているチェファルーのホテルへと向かうのだ。 はよっぽど楽しみだったのか、はしゃぎっぱなしだ。 タクシーが来て、トランクにスーツケース2つとオレたちを乗せて、発車した。 窓の外を街並みが流れていく。 はまたも「きれー!!」と連呼している。 オレはそんな を見つめながら、今から行くホテルを思う。 ディナーはツナたちのホテルじゃ出ないらしい。 つかディナー出ないとかビジネスホテルだな、おい。 朝は出るらしいけど、一体どんなモンが出てくるんだ? つか風呂とかちゃんとあるのかよ。 だって経営者あのリボーンさんだもんなー。 オレは心配してるというよりは、ただ悪口言ってるみたいになってしまった自分の脳内発言に恥じる。 よかった、口に出てなくて。 「武ぃー!写真よりずっときれいだねー!!」 全くだ。 初めて を見たのはダチの彼女のプリクラだったけど、……ありゃあ酷かったな。変顔にしても酷かったな。 オレは今思い出しても苦笑してしまう。 あのときよりもずっとあか抜けてきれいになった 。 今オレに笑顔を向けてくれていることを、オレは不意に不思議に思うことがある。 「明日はこっちを観光しような!」 オレがそう言うと、 は「うん!」と本当に嬉しそうに頷いてくれた。 オレはその笑顔に安心し、 の手をぎゅうっとつないだ。 |