またオレは仕事でヘマをしてしまった。
おかげさまで、ここ最近、同期の奴はもちろん、先輩からの視線が痛い。風当たりがキツイ。





当たり前だ。





オレは敵に情をかけてしまったのだ。
オレが逃がした男のせいで武器庫が1つやられてしまった。
ボヴィーノなんていう片田舎の中小マフィアにとってはすごく貴重な武器庫。だったのだ。
なんとか反撃に成功したからよかったものの、失敗していたらオレが殺されるのはもちろんのこと、仲間たちまで殺されていただろうなとオレは思う。
……というか普通に考えてボヴィーノ壊滅してただろ、アレは。
滅多なことじゃオレはこんな破滅的な暗いことは言わないけれど、言いたくもなる。
あんなのはハッキリ言って運がよかったに過ぎない。薄氷の勝利だった。






























ボスからの突然の呼び出し。
オレはひどく憂鬱な気分だ。というよりもむしろ、すでにオレは予感している。
……いや、これも正しくないのか?オレは予想しているんだ。
ボスからボヴィーノを追い出されることを。
甚大な被害が出ていながら、ヘマをしてしまったオレがのうのうとしていられるはずがないと。




















ノックをしてから「ボス、ランボです。」と言って執務室に入る。
オレの予想通り、神妙な面持ちのボスがいた。
オレは思わずぶるっと身震いをしてしまう。
怖い、怖い。
居場所がなくなるのが。独りになってしまうことが。





「ランボ。」



「は、い。」



「今回どうしてこうなってしまったのか理由はわかっているな?」



「……は、い。」





よーくわかっています、とオレは心の隅で呟く。
きっと誰よりもオレが1番よくわかっていますよ、と。





「……ランボ。」





この間がオレの心を冷たく凍らせて、そして仕舞いには殺すんだ。とオレは想像する。
それだけでもうすでに死にたくなる。





「暇を出す。頭を冷やしてこい。」





はい?





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