あたしの彼は無理しがち……。 WORKER HOLIC 「ねぇ、まだ……?」 あたしたち、広い応接室に2人。 仕事熱心な彼。彼は机に向かって仕事中。 退屈なあたし。ソファーに横になり、彼を眺めるだけ。 せっかく2人きりだというのに、色気も何もありはしない。 行事が近付いてくると、彼はいつもそうだ。 「……僕、忙しいんだけど。」 「はいはい。」 気のない返事をしたというのに、今日は無反応。 いつもなら拗ねてしまう所なのに、あたしのために使う時間は最早ないらしい。 構われ続けて鬱陶しい(でもそれをあたしは楽しんでいる)と思うのに、 嗚呼、放っておかれるっていうのは何て寂しいんだろう……? 仕事に嫉妬する。 「ねぇ、そんな顔、しないでくれる?」 暫く黙ったまま彼をぼうっと見ていたら、彼から言葉が飛んできた。 「……そんな顔、じゃわからないんだけど?」 自分で思う。 わがままな、嫌な女だって。 「不機嫌そうな顔だよ。」 「だって不機嫌なんだもん。」 自分で思う。 おもしろくない、可愛くない女だって。 「僕が仕事してるのがそんなに嫌……?」 答えられないあたし。 仕事が悪いのではない。それがわかっているから。 でも我儘なあたしはそれがわかっているからこそ仕事に妬くのだ。 公認で雲雀につきっきりで相手をしてもらってるのね、って。 「ねぇ、 。答えてよ。」 怒ってるを通り過ぎ、呆れた表情。 嗚呼、なんか(っていうかそのまんま)哀しい。 「……雲雀が仕事してるのが嫌なんじゃないの。 (むしろかっこよくて凛々しくて、好き。)」 ぼそぼそと口を尖らせながら言うあたし。 正直雲雀はウザいと思っていることだろう。 「じゃあ何で……?」 「……だって(2人きりのとき位、ね。)」 あたしは本当に素直じゃないから、そんなこと、言えない。 不器用、なんだろうなと思う。 「……しょうがないなぁ。もう、わかったよ。」 「……え?(何で今のでわかるの)」 「 の考えてること位、顔を見ればだいたいわかるよ。」 ポカンとするあたし。 ペンを置く彼。 「あっもしもし草壁?まだ書類片付けられてないんだけどもう休みたいんだ。」 『えっ!?ですが委員長……』 「何?君は僕にこれ以上 WORKER HOLIC にでもなれって言うの……? えっ……?君、そんなこと考えているようだったら、僕、君の事噛み殺すからね……?」 『あっいえそういうつもりでは……』 プッ ツーツー…… さぁ、行きましょう。仕事なんか忘れて恋のバカンスへ。 |