自制なんかじゃとてもじゃないけど止まんないの!! だってメーターなんてとうの昔に振り切れてるから自分でも計れないほど彼のこと好きなんだもん……!!




















ってさぁ、意外と勇気あるよね。」



「??何で??」



「だってそうじゃなかったら普通風紀委員になんてならないでしょ?」





みんな一斉にあたしの方を見てうなずく。 「よかった。それでもあいつらみたいに染まってなくって。」だって。 いや、染まりませんからっていうかむしろ染まれませんからっ!! 染まったとしたらあたし、学ラン……って男装!?むしろコスプレ!?みたいな感じだし、リーゼントは ……そんなんが似合う男らしい顔立ちしてるわけありませんから。一応こんなんでも女ですから。 染まるも何も……って、あっ、あたしが着るならセーラー服か。学ランじゃなくて。





「まぁ がやってくれてよかったんじゃない?この子不良みたいなキャラじゃないし。」



「どっちかっていうと天然だし。」



「あー。それで影響されないのかも。」



「あるある。そうじゃない?きっと。」





ハハハハハー!
っていや、天然!?あたしが天然なのか!?っていうか今までの全部心の叫びだぞ。あたし突っ込み切れてないぞ。 えっもしかしてあたしやっぱそういうキャラなの!?あたしって天然キャラなんだ覚えとこう。
なんて考えてたら隣に座ってた に「よかったな っ!」って言われて肩叩かれた。
なんかほめられたのに複雑な心境だ。





「だってさー、もし があそこで立候補してなかったら風紀委員決まんなかったわけでしょ? そしたら投票になっちゃうもんね。」



「うん。あっ、もしかしてそれを防ぐためか!?」



「えっ!?あたしそんなこと考えてなかったよ!?」



「あっ、そうか ってば正義感強いんだね。」



「でも無理しちゃダメだよ。つらくなったらいつでもあたしたちに言ってね。」





最後に が「でも流石に雲雀に殺されるのだけは勘弁だわ。それは言ってもらっても困るし。」と言ったら再び大爆笑。 「そりゃーもー が悪いんだからっ。」ってオイっ!!
突っ込もうと思った瞬間に休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴って、そこであたしたちは授業を受けるために各自席に戻った。
消化不良だぜ。突っ込みきれてないし、そもそもみんなあたしのこと誤解してるし。










みんなごめんよっ!!
あたしは先生が一生懸命関係代名詞の説明をしているのを無視しながらみんなに向けて謝ってみる。いや、実際誰にも届くはずがないんだけど。 それでもあたしはなおも懺悔を続ける。
あたしは本当は困った人たちを助ける気があったわけでもなければ正義感が強いわけでもない。 本当はただの下心しかない……。
そう。みんなが知らないだけであたしは懺悔しなければいけないことがいっぱあいあるんだ。 みんなが考えているようなお人好しなわけでもないし、正義感が強い熱血!!ってわけでもない。 (いや、正確にはみんなこんな風にさえあたしを捉えているわけではないんだけどこのさいまぁどうでもいい。)
単刀直入に言ってしまうとあたしは委員長の雲雀先輩のことが好きなだけだ。
近づければ、同じ空間を共有できればそれでいいんだ。
だから!!みんな知らないだけであたしやっぱりただの手段を選ばないだけの女なんだ。
……まぁ結果的に喜んでもらえてるんならそれでもいいんだけど。
(いや、本当にこれでいいのかなぁ……?いつか にはあたし白状してる気がする。)




















さん、ちょっと用事頼める?」



「あっはい!!」





委員会の後に雲雀先輩に呼ばれた。いや、呼ばれたのも驚きだけど、名前を覚えてもらっていたことも驚いたんだけどっ!! とにかくあたしはほかの風紀委員の強面のみなさんが出て行くのを尻目に、応接室に残る。先輩と2人きりになる。





……。





えっ2人……!?
いやいや無理です。あっでも断るほうがもっと無理……。八方塞がりな感じだ。 うわっ、ついてるんだかついてないんだかさっぱりわかんない。 絶妙に微妙。
あっ、今の狙ってませんよ、何なら言い直します。










「何でしょうか委員長。」



「うん。実は女子のスカートの丈の長さが気になるから注意したいんだけどね、僕はともかくほかがあんなやつらだからちっとも進まないんだよ。 っていうか公衆の面前であんなやつらに女子のスカート触られたらそれこそ風紀乱れちゃうしね。 だから女子の さんにお願いできないかと思って。」





やってくれるよね、という声には少し脅しが混ざってた気がしないでもないけど、あたしはそんなこと気にしない。 何より雲雀先輩に頼りにされたことが嬉しかった。










「基準の丈はこの位。 さん基準通りだね。よかった。」





そう言うと雲雀先輩はあたしのスカートの裾を持ち上げた。




なななな何するんですかぁぁぁぁぁっ!?





「いいい委員長……?」



「ん?何?あっ、この位の丈より短かったら注意してね。」



「あっ……はいわかりました。」





よかった……。ホントにびっくりした。 (だだだだだってここは応接室で教師だって気安く入れなくてしかも今はあたしと先輩のふ、2人きりしかいなくて……!!/ でも冷静に考えると自分で言ってて悲しいけどありえないんだそんなことって。)





「じゃあさっそく明日からよろしく頼むね。」





ほらやっぱりこんな関係だよ。どうせあたしたちはっ!! 仕方ないけど!!一般ピーポーなあたしと並盛のボス・雲雀恭弥先輩がそんな明るくってポップな関係になるはずがないんですよーだ!!
拗ねてみたのはいいんだけど余計に淋しくなっちゃって、すばやく荷物を取ってあたしはすばやく応接室を出ることにした。





「失礼しました。」



「ねぇ。」



「はい……?」





まだ何かあったのかな、と思って声をかけてきた雲雀先輩の方を見る。 いつものように革張りのソファーに優雅に腰掛けている。





さん、さっきのスカートそのままめくってしまおうかって思ってたって僕が言ったらどうする?」



「え……。」





頭がすっかりフリーズしてしまった。 先輩の言葉を解読しようと思ってるんだけど、どうにもならない。 ポカーンと阿呆面をしていたら先輩はクスクスと笑い始めた。 先輩が忙しい理由は風紀委員長だからということだけではないらしい。





さん、君、やっぱり面白いね。そんなの冗談に決まってるじゃないか。」





あぁ、そうでしたか失礼します。とフリーズの溶けない頭のままで言うとあたしは応接室から立ち去ろうとした。 のに、





「話は最後まで聞かなきゃね。」





という先輩の声にまたも動きを止められた。
何なんだ、今度は。





さん。また今度休み時間にでも応接室まで来てね。これ、命令だから。委員会とは無関係だけどね。」





頭は再度フリーズ。でもあたしの体温は徐々に上がってしまっていてパラドックス!! えーもーこれ何かのドッキリですか!?そうなんですか!?!?!?










ブレーキはノー!!










恋のアウトバーンにブレーキは不必要。
ただひたすら道なりに進めっ!!