生まれて初めて女を家に呼んだ。オレのカノジョ、
「オレん家来ないか?」とすっげぇ緊張しながら言ったときの顔はまだオレのまぶたの裏にくっついたままで、時折オレの顔を緩ませる。
一瞬、困ったような探るような表情をして「本当に……?」と小さな声で聞き、オレが「あぁ。」と返したときの、あの、表情。 ぱぁっと周りを明るくするような笑顔、である。






























そして今オレは想像と現実の差異に驚いている。
なんつーか……う、ん。あっ、いや、楽しいよ。楽しいのは間違いねーよ。当たりめーだろっ!! はいつも以上にかわいいし、手土産に手作りのクッキーだの何だのって作って持って来てくれたし、 何よりオレん家なんて別に来ても楽しくない所にわざわざ来てくれてしかも楽しそうにしてくれてるし……。
ただ、なんつったらいーのかな……? オレはラブラブイチャイチャ、あわよくばにゃんにゃん的な (なんか言い方が気色悪いのは勘弁してくれ。 普通にセックスとかオレが言ったらヒくと思ってオブラートに包んで言うつもりだったのに、 オレのボキャブラリーの少なさが下品さの代わりに気色悪さをトッピングしちまったのだ。……うん。反省。) 展開を期待していたというのに、やっぱり、というか何というか……。 にはそういう考えは毛頭なかったらしく、学校にいるときの姿となんら変わらない 、きゃっきゃっとかわいく子ウサギみたいにしているばかりだ。
(ウサギが愛欲の象徴って知ってんのか……!!コラ。)(ちょ、おまっ……かわいすぎんだよ……!!)
はっきり言ってオレの今現在置かれている状況は紛れもないお預け状態であり、苦痛極まりないというわけ。
更に要約して言うと、据え膳を目の前にしてオレは発狂寸前。以上。










わかってるっつーんだよ!セックスだけが恋愛じゃないなんて。 でもやっぱりその……うん。心と身体は別というかもう1人のオレが、元気づくというか……。
あぁ、オレ、情けねぇ……。




















「ねぇコロネロ。」



「ん?何だコラ。」



「床に座るの、疲れたしベット借りるよ。」





はそう言うとオレの返事を聞く前にマガジンラックにあった週刊誌を片手にオレが座るベッドに来た。
だけでは止まらず寝っ転がった。
え、ちょ……おまっ……!!それはお前無邪気(?)過ぎるだろ……! (もしかして狙ってやってるのか!?そうなのか!?) 「あっ!この漫画あたし好きなんだ。コロネロはどう?」なんて言ってる場合じゃないだろ。なんていうかそのー……
あっ、オレ、たった今死亡フラグ立ちました。





「なぁ……。」



「ん?」





その小首かしげるのは反則だろーっ!?と思いながら、オレは立ち上がるとシャアッというやけにシャープな音を立ててカーテンを閉めた。
「ん?」と言う の声が聞こえると、あーなんかこれはどうなんだ逆に。 危機感というかそういう類いのものがこいつにはないのかとかぐるぐる考えてしまう。
やべ。かっこわるいよ、オレ。





「どうしたの?」





オレは週刊誌から顔を上げた を見つめてから、その手にある週刊誌を取り上げた。 あっ。という声が の口から出る。
オレはマガジンラックに向けて週刊誌をシュートした。危うかったがギリギリでそれは入って、オレはなんだか安心する。
たかがこんなことで一喜一憂する方じゃないのに。





、愛してる。」





だから抱くけどいいか?



少年よ、


少女を抱け……!!
少年が少女の額に優しくキスを落とすと、ギシッとスプリングが音を立てた。



12/24 10000hit記念感謝フリー夢
焦ってるのに顔に出てないだけで、本当はすごく余裕がなくて可愛いコロネロを勝手に妄想。
(あわわわわ。「こんなのコロネロちゃうわぁっ!!」と言われそうで怖いです。すいませんすいません。こんなのでよろしければフリーです。)