キラキラ光り輝く星々に願う…… 「ホントに俺ん家に泊まっていかなくていいのか、コラ。」 冷えるぜ、コラ、と続けてコロネロは言う。 タンクトップなんて着てるからだよ、と私は返した。 「いっつもいっつも外泊ばっかりしてるとお父さんもお母さんも心配するんだよ。 それにホラ、2人にはコロネロのこと悪く思ってほしくないし……。」 ちぇっという舌打ちは静かな住宅街に響く。 でもその静かさは単なる本当のシンとしているといことじゃなくて、 家々の中からはあったかい、家族の団欒チックな声とか音とかは外にいてもしっかりと耳に入る。 もちろん、目を向ければ同じくあたたかい光がカーテン越しに目に入る。 「オイ、次はいつ泊まれるんだコラ。」 「どうだろ……。 そろそろ試験近いしなぁ……。終わってからになると思う。 っていくかコロネロの都合はどうなの?」 「俺の心配なんかすんな。 しばらくは海外へは行かねぇよ。 国内でもあと2ヶ月は関東周辺にいるからいつでも帰ってこれる距離だコラ。」 「そっか……。それならよかった。 いつでも会おうと思えば会えるってことよね。」 そう言ってコロネロを見ると――――薄暗闇でも私にはわかる――――彼は少し頬を染めている。 寒さのせいだけではないと私は思う。 日に焼けているとはいえ、元が白い彼の頬はピンク色。 顔を逸らしたと思った瞬間、左手には温かくて、ゴツゴツとした不思議な感触。 いつ手をつないでも思うんだけど、 細いくせに骨ばっていて、大きな頼れる手なんだろうか……? 私に悪戯ばかりする手だなんてとても思えない。 「寒い寒いって言ってる割に手、あったかいね。」 「ほっとけ、コラ。」 照れくさそうにする彼。 仕返しのつもりなのか……? ギュッと手を強く握られる。 私がふざけて”いーたーいー”と言うとパッと彼は手を離した。 冷たい風が空っぽになった左手に容赦なく当たる。 あー、なんか淋しい。 酷い、コロネロ。 こうなるってわかっていたに決まってるのに。 私の不機嫌を察知してか、彼はもう1度私の手をとる。 緩くもなく、きつくもなく、ちょっと包まれる感じ。 「星、こんなトコだけど見られるんだよ、知ってた?キレイでしょ?」 そう言って私は空いている右手で天井を指す。 彼も一緒に上を見る。 「でもグリーンランドとかのがキレイだコラ。」 オーロラも見えるしな、と呟く。 酷い、コロネロ。 私はそんなことを言ってるんじゃないのに……。 「でも と一緒に見られるから俺はこっちの空がいいぞ、コラ。」 彼はなぜこんなにも容易く私を幸せすぎて昇天しそうにさせる言葉が スラスラと出てくるのでしょうか……? Twinkle stars!! キラキラ光る夜空の星よ、この駅までの道を永遠の長さにしてください。 「私もグリーンランド行きたい!!」 「オメェとならどこへでも。」 |