アスファルトからの照り返しがやけにキツイ。 おかげで向かいに建っているビルがぐらり。 揺れている。 君の街まで 彼にはもう3日も会っていない。会えていない。 仕事がとても忙しいらしい。 軍人である彼はいつも日本中だけでなく、世界中を飛び回っている。 彼のお荷物になんてなりたくないから 『淋しい』 なんてとても言えない。 だって愛想をつかされたら、そっちの方がきっと今よりもずっとずっと辛いから。 彼のいない生活なんて、あたしにはもう考えることなんて出来ない。 それにしても今日はいつになく辛く感じる。 ひょっとしたら(……というか確実にそうなんだけど) 以前1週間も彼に会えなかった時よりも辛いかもしれない。 それ位に今日は辛い。 もしかしたら共寝を暫くしていないからなのかもしれない。 せめて身体だけでも、繋ぎ止めているという自信が、今のあたしは欲しいんだ。 本当に求めている、心が繋がっている自信がないから。 本当はあたしの一方通行の想いなんじゃないかっていつも不安な思いに駆られている。 「ただいま。」 「えっ!?コロネロ!? 何であなたが今ここにいるの!?」 「オイ、久しぶりに帰って来てやったつーのになんて出迎えだコラ!」 久しぶりに目にする彼は少し疲れている様子はあるけど、 こんな口を叩けるくらいの元気はあるようで、あたしはとても安堵した。 彼は立ったまま不機嫌そうな素振りを見せる。 「おかえり。 ……だけどどうして?あと数日間は仕事があるって……」 と、あたしが言い終わる前に彼は話し始めた。 「仕事があっても普通家には帰るだろうが、コラ。」 オレにとっては がいるトコが家なんだからよ 真っ赤になりながら恥ずかしそうに言う彼の声はだんだんと小さくなっていった。 「だからって……。 今度の仕事先ってここからかなり遠いじゃない。 こんなとこまでわざわざ……」 嬉しさのあまり越えは出なくなってしまった。 次の瞬間にはあたしはコロネロに抱きすくめられていた。 「だってオレに なしの生活なんて我慢できるわけねぇじゃねぇか……」 彼は耳元で囁く。 いつもならコラと口の悪い彼がつけるはずの所は沈黙に代わる。 抱きしめられる力は強くなる。 抵抗などできるはずもない。 2人ともに堕ちていく。 |