休み時間という時間は本来、きっと多くの人間は静かな時間をすごしたいと考えている時間であるはずだろうに (ex:昼寝をする、音楽を聴く、等の理由で) きっといくら願っても静かな時間がすごせることはないんだろうなー、と思いながらあたしは机に突っ伏している。 ちなみにあたしの前の席には愛しの君、暴君プリンスことコロネロが座っている。 ぬぼーっとなんだかいつもの彼らしくない間抜けな顔で。





「コロネロ。」



「なんだコラ。」





唐突に机から顔を上げて話しかけたあたしを不審に思ったのか、コロネロは変な顔であたしを見た。 否、コロネロは変な奴だと思ってあたしを見たのだ。
しかし生憎だけれどもあたしには先程からというか実は結構前から密かに思っていたことがあって、いいたいなーなんて思ってしまったのだ。 きっと、このボケてしまいそうなほどあったたかくて心地がいい気候のせいだ。
そういうことにしておく。
(だって素で言ったらきっとコロネロにツッコミ殺されてしまうかもしれない。あっ、いや、変な意味じゃなくて。お笑い的意味で。)





「……案外味覚かわいいんだね。」





あたしは1度コロネロの目を見た後、彼の手の中に納まっているイチゴオレに視線を向ける。 もちろん定番のピンクのパッケージのやつである。 見ているだけで甘ぁい味が口いっぱいに広がる。 (あたし、なんだかパブロフの犬みたいだ。)
まぁそんなイチゴオレなる代物を、いかにも辛党!って感じのコロネロが好き好んで飲んでるっていうのはなんてアンバランスなことなんだろう……?
なんとも笑える。
っていうか味云々よりもむしろまずピンクっていうパッケージの色が





「かーわいー……。」



「アホかコラ。」





一蹴。
流石辛党。どえす。
(今の、結構本気で、しかも心の叫びに近いものがあったのに。むしろそのものなのに。)





にかわいーとか言われたらオレもうイチゴオレ飲めないだろうが。」



「へ?」



「オレこれかなり気に入ってるっつーのによー。」



「へ?(別に飲むなとは言ってない。っていうかむしろ飲んでいてよ。かわいーんだからさ。)」





むすぅっと不機嫌そうなコロネロは飲み掛けのイチゴオレのパックを状況が掴めていなくて未だに呆けているあたしの方に寄越した。
え、え!?えーっ!?この展開はまさか!?かかか間接キス……!!





「えっ……いいの?」



「まっ、空だけどな。」



「(カチン)おま……ちょ、コロネロ、もーっ死ね!」





そしてあたしのときめきを返せ。





「あっ、おい、 。お前、それ中身入ってるのに捨てるなよ。もったいない。」




















またも呆けているあたしを見てコロネロはクスクス笑っている。
あたしはそれを見てパックを振ると、本当にぱしゃぱしゃと液体の跳ねる音がした。
……え!?コレ本当に間接キス狙ってる!?















素直じゃないの
(狙われてるのは挙動不審になるおもしろいあたしの姿だったようです。)





日記の小話リサイクル。かなり改訂。