学校の購買でお昼を買う機会があると、必ずといっていいほどあたしは牛乳プリンをデザートに買う。 学校なんていうせんまーい檻の中での数少ない楽しみの1つなのである。
……ま、正直少ないお小遣いからこの牛乳プリン代を捻出するっていうのはなかなかあたしには苦しいわけで、 そんなにしょっちゅう買うわけにはいかない。
だからこの牛乳プリン、購買に売っている2種類のプリンのうち、 なめらかなやつにするか、濃厚なやつにするか、あたしにとってはいつもすごぉく迷う所である。




















「正直どうでもいいっつの……。」





あたしが込み合う購買でバトルしていた間ずっと、お腹がすいてもお昼をおあずけされていた隼人は不機嫌そうに言った。





「そんなの悩む位なら早く帰ってこいよ。」





隼人は今まで吸っていたタバコを消すとむすーっとしながら言った。
(おなかすいたくらいで怒ってるなんてまだまだ子どもだな、かわいいやつめ。)





「えーっ、かなり重要だって!!どっちもホント美味しいんだからっ!」



「どっちもうまいんならなおさらどっちでもいいだろ。」



「たしかにどっちも嬉しいんだけど、どっちにするか悩むそのプロセスが



「あーもうウゼーな。つーかまじでその白いのプリンじゃねーから、まず。プリンはもっと黄色っぽいはずだろ!?」





オレはプリンとして認めない、と隼人は続けて言うと、コンビニの袋から焼きそばパンを取り出した。
隼人はほんっとこういうの好きだなー。





「だから牛乳でできてるもんなんだってば!!」



「じゃあ尚更嫌だっつーの。」





オレは牛乳嫌いなんだよ、くさいし。あれ口に入れるもんじゃねーから。
あたしは断固拒否の姿勢を崩さない隼人に苛立って、無理やり食べさせようとする。





「食えーっ!!」





そしてあたしは嫌がる隼人の口になんとか牛乳プリンを投入することに成功。なんかすでに達成感があるんですけど。





「どう……?」



「わ、悪くねぇ……。」










君ならきっと わかってくれると思ってた。










日記の小話のリサイクル。加筆修正。