うっわ。やっぱ今日も授業退屈だよ。 もーいっそのこと寝ちゃおうかなぁ……。(まぁあえて懺悔するならいつものことですすいません。)
昼食後でお腹いっぱいな上にポカポカとあったかーい日差しが教室中に満ちる午後一の授業。 あたしはうすらぼんやりと半分眠りかけの脳味噌(もとより不良品)で考えた。




















そのときだ。
カサッという小さな音を立てて、机ぬえに小さな紙切れが落ちてきた。 ノートの切れ端だろう。
もうちょっとマシな紙なかったのかよ、と思って教室を見渡すけれど、 いつも授業中に手紙のやり取りをする友達はみんなもうすでに眠りの国へと旅立ってしまった後だった。





ん……?じゃあ本物の落とし主は誰……?





もう1度教室を見回そうと顔を上げるとそっこー犯人は判明した。 そいつは手を振ってあたしの方を見て笑っていた。
奴の名は山本武。
あたしの隣に座っている奴だ。
っていうか投げたわけだから落としたわけじゃないか……、なんて思うのは今更かな。
でもこれで切れ端だったわけにも納得。 あいつが洒落た紙なんて持っているはずがない、ってね。
でもまぁそんなこととりあえず置いといて、ニカーッてあんな笑顔されてしまったら、いくらあたしでも無視は出来ない。
義理で開けてやる。
彼の表情を盗み見ながら彼の元からやってきた紙を開ける。





『明後日並中で野球部が試合するから見に来てくれ。』





無言で紙を閉じるあたし。
なんか顔が熱……い気が……す……る。
山本の方を見るとまたも彼は笑顔。 それもあのニカーッという微妙に腹立つくらい幸せそうなやつ。





ウワッ、不覚。





あの笑顔が勝利宣言に見えてきた。
だってあたしこのノートの切れ端なんかに書かれた誘いが無視できないんだもん。
ドキドキのあまり



















眠りの淵から生還



















また君の笑顔楽しみにしてる。勝って下さい。あなたの笑顔が見たいから。