朝、太陽と一緒に目覚める……とは流石に言えないにしても、 それなりに早く目を覚まして身仕度をして、朝ごはんを食べて、学校に行く。 あたしの前には集団登校をする小学生の列があって、きゃっきゃっ騒ぎながらちょこちょこと歩いている。 まだまだ小さい彼らを見るのは微笑ましい。 ランドセルに背負われてる様に見えなくもない1年生と、 学校にも慣れて調子に乗る奴、中学年の男の子、 それを注意する先頭を歩くしっかり者の高学年の子……。 静かな住宅街が少し華やいだ、気がする。 ほかにも朝早くから愛犬の散歩をするおじいさんだったり、庭の手入れに精を出すおばさんだったり、 学校までの道程というのはディテールは違えど、大方毎日一様な、平凡な道が続いている。 こういうのを幸せだと捉える人も数多くいるんだろう……とあたしは漠然と思った。 このことを話すと 犬は「お前そんな小難しいこと考えてバカなんじゃねぇのら。」と言い、 千種は「そんなこと考えてる位なら夕飯の仕度手伝って。」と言い、 髑髏ちゃんは「骸様に会いたいの……?」と聞いた。 鋭いな髑髏ちゃんは。 あたしが笑って誤魔化すと、髑髏ちゃんは小さい声でごめん、と言って、麦チョコの袋をあたしに向けた。 この子は自分も辛いはずなのになんであたしにまでこんなにも優しくできるんだろうか……? あたしは「ありがとう。」と言って1粒だけもらった。 あたしが口に含んだのを見ると、髑髏ちゃんはまたイタリア語レッスンに戻った。 正直、ありがたい。あたしは口の中が甘くなった瞬間、涙が出そうになったからだ。 黒曜ヘルシーランドは前とどれほど変わったんだろう……? 髑髏ちゃんが増えた位にしか、感じたくないなぁ……。 相変わらず、ここは静かで平和で…… 今日も平和です でもあたし、平和過ぎて退屈なの。恋の波風、あなたにたててほしいと、あなたが消えた今もまだ願ってる。 |