『もしもし、こちらバジルです。聞こえますか?』



「もしもし、聞こえてますよ。音声良好です。」



『それはよかった。こちらイタリアは現在午後3時。きれいな青空です。並盛の空はどうですか?』



「きれいな星空が広がっています。スバルの星が5つ……かな?見えます。」



『そうですか!ほかにはどんな星が見えますか?オリオン座は?シリウスはどうですか?』



「両方とも見えますよ。……ってやっぱ無理!このデスマス口調。 ふざけてバジルの真似してみたけど笑えてきた。バジルよくこんな口調で話せるね。」



『そうですか?拙者はこれが普通だと思ってましたけど……。』



「だって親方様?もバジルみたいな話し方じゃなかったじゃない。」



『言われてみれば……そんな気もします。』



「でしょ?」



『……でも笑うことないと思います。』



「気を悪くした?」



『ほんの少し……ですが。』



「それはごめんなさい。」



『そんなことよりも早く会いたいです。』



「それはあたしもよ。次はいつこっちに来れるの?」



『さぁ……わかりませんね。彗星にでも乗って会いに行ければいいんですが。』



「ロマンチックな表現ね。でも流れ星じゃなくてよかったわ。」



『え、別に意識して言ったわけではないのですが。何でですか?』



「流れ星って1回きりでしょ?それに何と言ってもあれ、ただの塵だし……。 それに比べると彗星なら回り続けているでしょう?だから2人きりで旅とかできそうかなぁー……って。 まぁイメージだけで話してるけどね。」



『……今度どこかへ2人で行きませんか?』



「え……。」










彗星に乗って










彗星に乗ってやって来たのはきっと彼自身じゃなくて彼と創る幸福……。