土曜日だというのに4時間だけながらも学校の授業があって、結果、今あたしは電車に乗っている。
ちなみに今は1時半だ。いい加減腹減った何か食わせろーっ!!なんていう気分は去ってしまっていて、
お昼?あー食べていなかったなそういえば。みたいな状況だ。 なぜ食べなかったのかと問われると非常に困るのだが、あえて言ってしまえば一緒に食べる友達がいなかったのだ、悲しいことに。 今日は総体があるから運動部に所属しているかつその部が勝ち残っているという なかなか優秀な子達は根こそぎグラウンドやら体育館やらに拉致されてしまっているのだから仕方ないのだけど。 うん、仕方ないのだ、多分。 まぁそういう感じであたしは1人だったってわけだ。 まぁいたよ? 部活が勝ち残っていなかったり、あたしと一緒で帰宅部だったりしちゃう子。 でも残念ながらあたしと仲がよかったのはそのうちの1人だけだったっていう更にその上に その子は家が近いから帰ってから家で食べるっていう話だったので仕方なくあたしは今現在たった1人で電車に乗っているというわけです。 ちなみにあたしはいまだかつてお一人様、をしたことがありません。チキン!!/まぁ勝手になじればいいさ。 まぁいいか。ダイエットってことで。 きっと5時ごろにはお腹がすいて死ぬんじゃないかと思う位にお腹が痛くなってみたりするんだろうけど、 それはまだ来ると仮定しても先の話だし、そんときゃお菓子でも食べとけばいいし……。 あっ、それじゃダイエットにならない……まぁいいか。一食抜いてるし。 それにしても土曜日のお昼というのは電車がいつもよりもすいていてなんだかゆったりした気分になる。 いつも乗っている通勤ラッシュor帰宅ラッシュでは立っているのが普通で座れたらラッキー、まして隣の席が空いているなんてことまずないのに、 今のこの状況と言ったら……!!贅沢極まりない、と言いたくなる。 だって、立っている人もいなければ、隣に連れ以外の人が座っているところなんてないんだ。 みんなテレビ見ながらお昼を食べていたり、もしくは休日よろしく遊園地だショッピングモールだと遊びに出かけているんだろう。 どちらにしてもあたしがどちらもしていない寂しい学生には他ならないし、そういう人たちを羨むことしかできないんだ。あー、なんてせーしゅん。 ……なんてどうでもいいことを流れる窓の外の景色を見ながら考えていると「すいません」という少し高めの男の人の声がした。 から、通路側を見てみた。 ら、センスのいい服を身にまとったかっこいい(!)外国人の男の人が隣に座ってきた。(きゃー!!) 優しそうな雰囲気の、男の人、だ。(どこの人だろう?) あたしはあまりにもかっこいいから不躾にもじろじろと見てしまった。 この人はどこの国の人だろ? どうして日本に来たんだろ?(観光、じゃないのは確かっぽい。荷物少ないし。) 仕事?いやそもそも社会人なのか学生なのか検討つかないし、学生なら日本語学科?とかこの辺にあったっけ? ……。いやだめだだめだ!!何1人で妄想逞しくしちゃってるんだ。 しかもクラスのやつだとかならまだしも(いや、それ十分問題ですから。それの方が危ない気もするから。) 電車でたまたま一緒になったってだけの見知らぬ人にだなんて……。 「最悪だ。」 「?いかがなされました?」 「○※▲×〒@〜!?!?」 うわぁ思ってること口に出しちゃってたよほんとどうしようよばかまるだしでほんとにもーはずかしーよー……。 「本当に面白い方なんですね。」 先ほどから一人で百面相なさってますよ、とあたしの気を知らずに彼はくつくつと笑いながら言った。 あたしは驚きすぎてさっきのような奇声さえ上げられない。思わず固まってしまう。 「あなたのような方、拙者は好きですよ。拙者の名はバジルと申します。あなたは?」 奇怪なしゃべり方に突っ込みを入れるよりも先に、輝きすぎてる笑顔にノックアウト。 今、恋が動き出した。 Automatic Love 「あたしは、 、です。」 |